廃用症候群(レジリエンス 組織づくり)- 2010-10-22

介護にリスクはつきものだ、りクスのない介護はない等と言われます。
私たちは身体拘束廃止宣言をしている施設の職員として安心・安全な介護をベースにあらゆる「拘束を廃止する』取り組みをしておりますが、拘束を廃止するにはある意味勇気が必要です。

特に家での介護は介護者の疲れもあり、本人の人権よりも介護者の都合が優先されがちです。例えば、Y字ベルト(身体拘束に当たり施設ケアでは原則禁止)を使用するという行為。これは安全であること(だけ)が最優先され、介護を受ける人が、「人たるに値するケア」を受けられない事になります。

画像は、当園デイサービスでの機能訓練の一コマです。

当園デイサービスでは日常生活の維持につながる機能訓練を中心に提供しており、その狙いの一つにケアプランにもよりますが)なるべく自分で歩いていただく、ということがあります。残存機能を一杯使っていただき、委縮拘縮を防止する為です。

健康な人であっても、使わないと筋肉の萎縮、関節の拘縮は意外と速く進行します。入院後歩くのもつらくなることがありますが、安静による筋力低下は、1週目で20%2週目で40%3週目で60%にも及びます。筋力低下を回復させるためには意外に長くかかり、1週間の安静から生じた体力低下の回復には1か月。それに加え、安静によって生じる臓器の退行性の変化、いわゆる廃用症候群も発症してしまいます。これは筋肉や関節だけではなく種々の臓器に生じてくるので、その後の生活に大きく響きます。

避けられるリスクは避けなければなりません。いつまでも心身ともに、介護される人も、する人も元気でいられるために私どもが出来ること。 ただ安全だけを求めた介護ではなく、Y字ベルトを着けなくてもよい介護ノウハウをご提案していく機会を増やしてまいります。