防災士養成講座レポート③(レジリエンス 組織づくり)- 2012-09-11
防災士養成講座も第三週目に入りました。あともう少しで修了。震災から一年半となった今回は、いつも以上に重く受け止める回となりました。
【火山災害一般と富士山 】日本大学教授 鵜川氏
■火山
予測が非常に難しい自然現象の一つである。過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められているものは18箇所。そして数十年程度の間、頻繁に噴火しているのは、十勝岳、浅間山、阿蘇山、桜島などを含む23箇所。きになる富士山は、どちらにも属しておらず、「現在異常は見られないが過去の噴火履歴などから噴火の可能性が考えられる」レベルである。
■噴火の予知
様々な観測網をひいているが、予測ができるのは時期、場所であり、その規模、様式、推移については、その時になって見ないと分からない。また時期についても、台風のように「何日前から予測」とは言えず、予兆(誘発地震、地殻変動の異常など)もなく、突然始まる事もある。
■富士山の活動
海外の事例から大きな地震の後に、噴火していることが多く、(チリ、スマトラなど)巨大地震との因果関係は不明だが、傾向としてはあり得るため、3・11で三分間くらい揺れた富士山も、注意深く観察する必要がある。
※表現が生々しい部分があるかもしれませんが、事実をそのままに、お伝えします。
【東日本大震災を体験して】 岩手県山田町 危機管理室長 白土氏
(まず、多くの支援への御礼と、山田町としてできる事の一つとして、後世に残し伝えることであるという気持ちである旨を述べられた。)
■山田町の状況
死亡者771人、そのうち遺体収容人数604体。この中には、海に引き込まれ、ズタズタになり判別できないが、遺体は収容することができ、DNA判定で身元を割り出すことができた方々も含まれている。現在でも、捜索は続けているが、状況から死亡として認定された方も多い。
(2011.3.11当日のことを時系列で説明あり。)
火災については、あまり報道されていないが全体で阪神の時よりも面積三倍の火災があった。山田町も、15時25分 火災を確認。消火したくても津波による瓦礫で、消火栓が埋れている。海面の方から声がしているが、助けに行く事もできない。二時間後、区役所、避難所にも危険が迫る。避難されていた方々は、別の場所に移動。(その後、風向きが変わり区役所も無事)
■避難
子供を学校から連れ出し、親子で逃げた方は、結局津波にのまれてしまった。心配なのは分かるが、非常事態の場合、それぞれが逃げて、自分の命を守ることが最優先。教育現場では、自宅に子供を帰さず学校側が守り切るという方針。ただ、「こうすれば、絶対に安全」という正解はない。日頃から、学校と親御さん、そして家庭内で話し合い、方針を決めておくと良い。
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このあと、避難所運営の事も含め次のようなアドバイスがありました。
「誰しも万能ではない。優先順位を判断し、できる事と、できない事をはっきりさせ、できないことを受け入れることが必要。自分たちで、全てを解決しようと思ったら、もたない。身体だけでなく、メンタルがやられてしまう。自衛隊、消防、警察、そして町内会、社会福祉協議会など施設と上手く連携し、役割分担が出来ればベスト。また他県からの応援団、保健師の方々の声かけが本当に励みになった。大変な時こそ、声を掛け合って、気持ちが折れないように…」
今もなお、避難を余儀なくされている方、遺体を探されている方がいらっしゃいます。まだまだ現在進行形であり、全てが収まるのは果たして・・・5年後それとも10年後・・・
可能な予防対策を、なんとなく後回しにしている時間はありません。今すぐできる「予防策」を個人そして法人レベルで行動に移していきましょう。大事な命を守るために。
被害にあわれた皆さまにおかれましては、心よりお悔やみ申し上げます。