心と体をあたためるお話(これ使ってます(用具))- 2010-12-01

今回は「風邪」についてのお話です。

「風邪」と書けば読み方は「かぜ」というのが一般的ですが、東洋医学では「ふうじゃ」と読みます。

「ふうじゃ」というのは発熱や咳、喉の痛みなどの症状を総合して呼ばれるいわゆる「かぜ」とは違って、東洋医学でいわれる体の外から入ってくる6つの邪気【風・暑・火・湿・燥・寒】のひとつのことで、首の後ろにある大椎(だいつい)、その近くの風門(ふうもん)という経穴(ツボ)のあたりから体内に侵入していくといわれています。「かぜ」のひき始めの背中がゾクゾクするという症状がそのサイン、それが「ふうじゃ」が侵入しようとしている合図だそうです。

『兎にも角にも首の周りを温かく。』

 

では「ふうじゃ」の侵入を防ぐためにはどうしたらいいでしょうか?

答えは簡単、首から背中にかけて温かくしておくことです。寝る時には1枚首にタオルを巻いたり、お出かけの時にはマフラーを用意したり、また肌寒い日には使い捨てカイロをぺたっと貼ってみるのもいいことだと思います(低温やけどをしないように必ず衣服の上から貼り、寝る前にはがしてください)。お風呂でよく温まるようにして、お風呂上がりにドライヤーの温風を2~3分程度あてて温めてみることもいいと思います。

 

さて、ここでひとつ確認です。

背中が丸まっている人に布団をかける時「顔が埋もれてしまうから」と配慮した結果、背中が丸出しになっていた、ということはありませんか?そういう経験が1度はあることかと思います。自分自身が寝ている時のことも思い返してみて下さい。背中がひやひやして夜中に目が覚めたりくしゃみをして布団に潜り込むこと、ありますよね…。背中を無防備にしてしまうことは「かぜ」の原因の「ふうじゃ」を自ら呼び込んでいることにもなってしまいます。

布団のかけ方ひとつを注意してみることでも「かぜ」の予防の助けになると思うので、本格的な冬に向けて首や背中がちゃんと布団に包まっているか少し気にしてみてみましょう。

 

あとは温かい食べ物と飲み物、体を温める働きのあるものを摂ることで体の中から温めることも忘れずに。根菜類は栄養価が高いものが多く、最近注目されている「しょうが」は血行を促進する作用があるので積極的に食事などに取り入れてみるのもいいかと思います。

 

風邪は万病の元、介護をする人もされる人も首から背中を温かくして「ふうじゃ」の侵入を防ぎ、「かぜ」をひかないように気をつけて元気にお過ごし下さい。

「大椎」は首を前に倒した時に1番出っ張る骨のすぐ下の凹みのところです。 「風門」は「大椎」からもう2つ下の凹みの両脇です。このあたりを温めましょう。